「医療的ケア児」、ご存じですか? 1

突然ですが「医療的ケア児」ご存じですか?医療技術の進歩で年々増えているのに保護者に対する支援が追いついていないのです!

はじめまして。おうちキャンパス理事に新しく就任しました山縣(やまがた)と申します。ブログへは初投稿となります。

私は、医療機関で10年以上に亘りソーシャルワーカーとして勤務をしてきました。いわゆる福祉畑の人間です。これらの勤務経験を踏まえ、社会が抱えているある課題を皆さまに知っていただきたく何回かに分けて投稿させていただきます。

私はこれまで、国の政策医療を担う医療機関において当該政策分野のひとつである「重症心身障害児(者)」や「医療的ケア児」の支援を担当するソーシャルワーカーとして勤務してきました。一般的に重症心身障害児(者)とは、知的および身体の両方に重い障害がある子ども(年齢を重ね大人となった方も含む)のことを指します。そして最近、ニュースなどで耳にすることが増えてきた「医療的ケア児」(以下「ケア児」とい います。)とは、先天的な病気や障害を持って生まれ、人工呼吸器や経管栄養など医療的なケアを常時必要とする子どものことをいいます。社会では、ケア児をめぐり適切なケアが受けられれば地域で普通に暮らしていけるのに、保育の受け入れ先が無いがために、親が仕事を辞めて付きっ切りでケア児の世話をしなくてはならない、という問題が生じているのです。

近年の新生児医療の発達で都市部を中心に NICU(新生児集中治療室)が増設された結果、超未熟児や先天的疾病を持つ子どもなど以前は出産直後に亡くなっていたケースでも助かることが多くなってきました。その結果、医療的ケアを必要とする子どもの数は年々増加傾向にあります。2021 年現在、全国のケア児(在宅)は、約2万人〈推計〉。ケア児を育児する親御さんのうち母親の多くが仕事を辞め、24 時間つきっきりで子どもの介護にあたっている現状があるのです。

<続く>

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