どんな画材があるの?

美術の世界にはたくさんの種類の画材がございます。美術を学んでみたいと思われて、最初に何の画材から使えば良いかわからないといった声をよく聞きます。

指標は様々にあるかと存じますが、

1、お子様の場合

2、美大受験の場合

3、趣味の場合

で大きく変わってきます。それぞれ解説していきたいと思います。

1、お子様の場合

多くの幼稚園〜小学校で使用されている画材は、油性クレヨン、不透明水彩(ガッシュ)と呼ばれるものになります。

よく、「ぺんてる」さんというメーカーや「さくらクレパス」といった商品名で知られているものです。

子供用の不透明水彩は、舐めても無害な顔料をアラビアゴムなどの水で溶ける素材で練っているものになります。油クレヨンも、万が一食べてしまっても、油膜で体に吸収されにくい特徴があります。安全性が高い反面、混色すると酷く色が濁り、

おうちキャンパスでおすすめさせていただいているものは、混色がしやすい3原色カラーとパステルという画材です。

3原色カラーは、プリンターのインクと同じで原理上すべての色が作れます(真っ白、真っ黒などの完全な無彩色は作れません)。これは、小学校で推奨されている不透明水彩よりも、多くの鮮やかな色彩を作ることができるため、子供の情操教育に非常に役に立ちます。

また、油性クレヨンも混色しやすいものをおすすめしており、できれば、顔料を固めただけの「パステル」がおすすめです。立体感の表現なども容易に可能です。油性クレヨンはどうしても線的に捉えてしまう傾向があり、デッサン力向上にはあまり向きません(コンクール向けの子どもらしい絵にはちょうどよいかもしれませんが!)。

また、シュタイナー教育ではインクが用いられることもあります。これらの画材は誤飲には十分注意しながら、子ども向けの画材である程度慣れてからご使用いただくのが良いかと思います。

いずれも何を目的とするかで変わってきますので、是非ご相談ください。

(画像引用:https://amzn.asia/d/daIWMaz より)

2、美大受験の場合

藝大・美大受験の場合、圧倒的に「デッサン力」と絵画を形作る「構成力」が問われます。

まず入り口としては、大きく形を捉えられる「木炭デッサン」をおすすめします。

デザイン・工芸科・建築科などの志望の場合は、その後「鉛筆デッサン」に移行します。

(はじめから鉛筆デッサンを勧める予備校もあるかもしれません。ただし、モチーフや空間を「面」で捉えるためには、まずは木炭の方が合っています)

多くの場合、高校1年生くらいの間までで、美術予備校の「基礎科」で様々な画材に触れ、2〜3年生で各専門科に分かれることが多いです。


3、趣味の場合

ずばり、趣味の場合は「好み」で決めて良いと考えています。どんな絵を描いてみたいか?好きな画家が選んでいる画材、油絵、水彩、パステル、動機はなんでも良いと思います。

ただし、初心者は鉛筆デッサンや、パステルなど、液体を使わないものから始めるのがおすすめです。

美術の世界では、水彩は意外と難しいと言われています。水彩にはいくつか種類があります。

◯透明水彩

→顔料をアラビアゴムで練ったもの、伸びやかさと水を使った表現が特徴。白を使っても良しと考えているグループと、白を使わず、神の白を生かすグループに分かれています

◯不透明水彩(ガッシュ、グァッシュとも呼ばれるもの。ポスターカラーもこれに含まれる)

→みなさんが小学生の時に使用していたサクラクレパスの水彩はこの部類に入ります。上記で混色すると濁るという記載をいたしましたが、高価なものになると、顔料も本物の自然素材を使用している場合もあるため、綺麗に混色できます。

◯透明アクリル

→アクリルとはプラスチックを意味するため、この絵の具は乾くとプラスチックの膜になり消すことはできません。透明水彩のように、水で消したりなどの後戻りはできませんが、上から重ねてミスをカバーすることもできます。服に付くと取れません

◯不透明アクリル(アクリルガッシュ)

→不透明なタイプのアクリル絵の具です。これもアクリル同様、一度乾くと消すことはできません。しかし、重ね塗りに長けており、デザイン科の入試で使われたり、各種デザイナーが好んで使用する画材ともいえます。