大学の学びと義務教育について

本日は、大学と義務教育の違いについて触れてみようと思います。

義務教育は日本では、初等教育(小学校6年間)と中等教育(中学校3年間)の教育を指し、同じく中等教育に分類される高等学校は任意とされています。

義務教育(compulsory education)とは、言い方は悪いですが、定義としては国が国民に対して「強制する教育」です。もともとはアメリカ独立期やフランス革命期に形成された近代公教育思想に淵源を持っており、欧米では生存権の一環として教育を受ける権利運動が展開され、今に続きます。

特に、産業革命期のイギリスにおいては貧困層の子どもたちが工場で働かせられることのないよう、19世紀後半に義務教育が課せられた流れをみると、もともとは貧困層の子どもを守るという意味合いがあったようです。しかしながら、義務教育のせいで子どもが働けず家が貧しくなるという考え方もあり、本松転倒ですよね。

こちらの絵はドイツの様子ですが、この時期のヨーロッパに義務教育が広がっていたことがわかる絵です。

「学校祭からの帰り」クリスティアン・エドゥアルト・ブッチャー(1852年)


日本では日本国憲法第26条が国民の教育を受ける権利(学習権)を定めており、これを保障するために保護者が子どもの教育を受けさせることが義務づけられます。

ここで、権利と義務という言葉が出てきていますが、保護者には教育を受けさせる「義務」があり、子どもには教育を受けられる「権利」があるということですね。


ただし、ご存知のように高等学校は義務教育ではありません。ですので、中学卒業の時点で就職を選べる可能性もあり、実際に中小企業の一部では中卒の採用が注目されているケースもあります。また、高校中退でも自分の夢を叶えた方々は多くいます(参照:四谷学院Webサイト)。

私個人の話をすると、高校に進む時点で、高校専門学校(いわゆる高専)に行って美術を専門的に学びたいと言って、親に反対された記憶があります ^^;

厳密には、高専は高等教育機関に入りますので、この頃から早く高等教育を受けたいという気持ちがあった私は、たいへん生意気な中学生だったのかもしれません 笑


一般的な中高に続く日本の高等教育は、初等教育(小学校6年間)及び中等教育(中学校3年間、高等学校3年間)の12年間を修了してから始まります。つまり、高校3年間を終えたのち、専門学校や大学から、大学院(博士後期課程)までが「高等教育機関」となります。

話を整理するために、日本の学校制度についてわかりやすい図を日本学生支援機構公認のWebサイトから引用させていただきます。

引用元:Sutudy in Japan Webサイトより(ブログ公開日閲覧)


上に行けば行くほど、自分の興味があることを集中的に学べる構造になっています。

やはり、高等教育機関としてもっともボリュームゾーンの大学の学部4年間では、必修単位など縛りがあるものの、その他は自由に単位を選択でき、自由な学びを実現しやすい場なのではと思います。

(ただし、薬学部や法学部などは、ほとんと履修科目が決まっていると聞きます。その辺は欧米諸国のようにもう少し他学部や他大学の聴講が容認されてほしいところですね。なかなかコロナ禍でも難しいのかもしれませんが。私は、本で読んだ憧れの研究者が教鞭をとる別の大学に許可をもらってよく聴講したものです。)

私は義務教育に対して、不要論とまでは行かないですが、小学生などの早いうちから自由な学びができたらなと子どものときから考えていました。

私の友達で、親にガリ勉を強いられて東大に受かったものの、やはりやりたいことと違って、東大を出てからデザインの専門学校に通いなおし、その後やっとデザイナーとしての夢を叶えた子がいます。

私は勉強がわりと好きな子どもではあったので、今でも義務教育に支えられてるなあと感じるところは多いですが、周りをみているとやはり「やらされるだけ」の勉強は将来につながりにくいなと感じます・・・。ですので、「積極的に」「自主的に」行った学びが将来にむすびつくと信じるようになりました。

それが、私が提唱する「学・遊・働」同一理論につながるのですが・・・・

これはまた別の回に書かせていただきます。


さいごに、もちろん夢や自己実現だけがすべてだと考えてはおらず、仕事が「自分の性格に合っていて」「ある程度興味があり」「苦ではなく」「毎日発見や工夫を楽しめ」る場であれば、社会のパズルのなかで、自分が一つのピースとして役立てていると実感できるのではないかなと考えていることだけ付け加えさせていただきます(社会の歯車ではなく 笑、素敵な絵を作り上げる、一つの「ピース」です)。

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